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2004/04/03

桜の話。

早い所ではもう散ってしまったようですが、今、桜が見頃です。
日本人の桜への執着ぶりを見るにつけ、何故この花なんだろう不思議
に思うので、言葉フェチの朱雀は語源から桜を探ってみました。(笑)

桜の語源の一つに穀霊であるサ神(サガミ)が鎮座する場所(クラ)と
いうのがあります。

サガミは相武、相模と言う字が当てられる現在の神奈川県付近の事ですが
元々はサ神という神様の名称でした。
サ神は山の神で、通常は山頂付近の神域に住んでおり其処には人は
容易に近寄れませんでした。
このことからサ神の住む神域の境界線をサカイ(境)、そこに設けられた
垣根をサク(柵)と言うようになります。

そして古代人が農業を営むようになると、農村では田植えの時期にサ神に
山から下りて貰い、様々な供物を供え豊作を祈願します。
そこから田植えの行なわれる時期(サ神が下りて来る月)を、サツキ
(五月)と呼ぶようになります。
また神様への供え物をササゲモノ(捧げ物)と言いますが、これはサ神が
下げ渡す物というのが原意で、捧げ物はサケ(酒)、サカナ(魚)、サケ菜
(山の物、野の物)などで、これらはサ神に供える物の意味を併せ持ちます。

古代人は農作の豊凶や運命の吉凶などを神に祈願し、その判断を請うの
ですが、これはサ神によって運をサダメ(定)、神のサタ(沙汰)やサトシ(諭)を
待ち、悪事をすればサバ(裁)かれると言う事になります。

そして、サクラの『クラ』は古語で神霊が依り鎮まる座を意味し、この
ことから桜はサ神の依る木となり、桜の下で花を愛で酒を呑む花見も
本来、サ神にサケ(酒)やサカナ(サケ菜・肴・魚)を捧げ、お下がりを
頂くという意味になります。
また、供え物以外にサ神に喜んで貰うため、歌や踊りを披露するように
なるのですが、奉納舞などを見るサ神の貴賓席がサジキ(桟敷)で、庶民は
地面の芝の処で見ていたことから芝居の語が生まれました。
桜の下で酒を飲み、歌い踊るのは実に正しい行為だったんですね。(笑)

更に幸福を表すサイワイ(幸い)やサチ(幸)という言葉も、サイワイは
サ神に祝って貰う意、サチはサ神が千ほど集まって欲しいという意に
なり、サカエル(栄)、サカル(盛)、サク(咲)などもサ神の祝福によると考え
生まれた古語です。

というわけで、桜はやはり日本人にとって特別の花なんだと改めて実感
した朱雀でした。(笑)

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