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2003/11/24

『マルドロールの歌』の話

今日は、ボードレール、ランボーとともに19世紀末のフランスを駆け
抜けた天才詩人ロートレアモンの命日です。

無名のまま24歳で謎の死を遂げたロートレアモン伯爵の本名は
イジドール・リュシアン・デュカス。
南米ウルグアイのモンテビデオに生まれ、4歳の時に単身渡仏。
リセで学んだのちに詩作を手がけ、一時期シュールレアリストの
バイブルと呼ばれた、詩集『マルドロールの歌』を残しました。

『神よ、願わくば読者がはげまされ、しばしこの読みものと同じように
獰猛果敢になって、毒にみちみちた陰惨な頁の荒涼たる沼地を
のりきり、路に迷わず、険しい未開の路を見いださんことを。
読むにさいして、厳密な論理と、少なくとも疑心に応じる精神の緊張
とを待たなければ、水が砂糖を浸すように、この書物の致命的放射能
が魂に滲みこんでしまうからだ。
猫も杓子も、これから先の頁を読めるというわけにはいかない、中毒
せずにこの毒ある果実を味わうことができるのは特別な者にかぎる。
だからひ弱な魂よ、この前人未踏の荒地にこれいじょう奥深く踏み
込まぬうちに踵をかえせ、先へ進むな。』
と言う書き出しで始まる『マルドロールの歌』は、悪の化身マルドロール
を主人公に神への反逆、人類への憎悪を激しい調子で語る散文詩集
です。
そして、その悪魔的イメージと無意識界への侵入は、シュールレアリ
スム運動の原点とされました。

また、第六の歌の主人公、イギリス少年のメルヴァンが登場する
場面の詩句『そしてなによりも、ミシンと傘との、手術台の上での
偶然の出会いのように、彼は美しい!』は、異質なもの同士の偶然の
出会いを賞賛する喩えとして、引用されることで有名です。

寺山修司は「ロートレアモンは言葉の絵を描いた。それを映像か舞台
にしようと思う」と、一行のフレーズを選択、解体し、イメージに置き換
え、あるいはその文字を水に浸し、またはその文字のひとつひとつを
ナイフでえぐりとる、等の様々なイメージのコラージュにより映像詩
「マルドロールの歌」を作っています。

ロートレアモンの『マルドロールの歌』は19歳の朱雀の聖書でした。
この本を開くと、当時の事が妙にリアルに思い出されて、懐かしさと
共に、とても煩わしかったりします。(笑)

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