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2003/10/31

ケルト頌詩(ソーウィンに寄せて)-1

ポエムにハロウィンに因んだ詩を置きました。
ケルトに興味のない人には全く何のことか分らない詩なので解説を。(笑)

冬の初めのサムハイン
闇の王子が陽の神を追い
黄泉より出でし魂は
暗夜を駆ける猫となり
白金色の雫をすする

ケルト人は季節を冬と夏の2季で考え仕事と休養時を定め、農作物を育み
ます。そして11月1日に新年を祝うのですが、これがハロウィンの起源と
なるサムハインの祭りです。
そして、冬の間に太陽神が死者の王と暗闇の王子サムハインによって連れ
去られ囚人になると信じられており、新年の前夜に、呼び集められた死者が
様々な形となって、人々の前に現れるとされていて、その多くが猫の形を
しています。
人々は、この神々を宥めるため生贄を必要だと信じており、食べ物を捧
げたり、大きなかがり火を焚き悪霊を追い払おうとしていました。

さぁさ真っ赤に火を燃やせ
樫の木杖を振るう賢者は
呪詛に呑まれる真金の舟に
櫂を投げ込み七孔を塞ぐ

古代ケルトではドルイドと呼ばれる司祭が中心の原始宗教が信仰されて
おり、ドルイド僧は魔力を持つ「樫の杖」と宿り木を切るための黄金の
鎌を持っています。
ドルイドはドゥル(樫木)とウィド(知恵)の合成語で『樫の樹の賢者』と
いう意味です。
ドルイド僧は、樫の生い茂る丘の上で新しい火を燃やし、農作物と動物を
神に捧げ、火の周りを踊ります。そして太陽の季節が過ぎ去り、暗闇の季節
の始まりを知らせます。
またサムハインとは関係ありませんが、海の神マナナーン・マク・リルが
呪力で幻影を出現させ、英雄たちを海底に引きずり込むと言う伝説を
ちょっと絡めてみました。この英雄の乗った黄金の船は両側に7コづつ
オールを入れる穴があり、これは人間の体の7つの孔を表します。

点と線で綴る詞に御霊は宿らず――
吟遊詩人は竪琴にのせ
夢想に踊る妖精の
無念の嘆きを戯に歌い
倫理を纏った語部は
月星を読み逸史を語る

ケルト人はオガム文字という点と線で構成された文字を使用していましたが
文字を持たないというのが定説だったほど文字による記述よりゲール語での
口承文化が発達していました。
またケルト人は国家を持たず部族単位で生活していましたが、部族を超える
存在として、ドルイド(僧)を頂点に、フィーリ(語り部)、バルド(吟遊詩人)が
おり一種の神権政治を行っていました。

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