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2003/10/15

オットーと呼ばれた尾崎秀実の話。

今日は以前日記でも紹介した、女スパイ、マタ・ハリが銃殺刑で処刑
された日です。
そして、もう一人の有名なスパイ、リヒャルト・ゾルゲのゾルゲ事件で
日本人ジャーナリスト尾崎秀実(ほつみ)が逮捕された日でもあります。

1901年に東京に生まれた尾崎は、父親が台湾日日新聞の記者で、幼少
期を台北で過します。その体験から、民族問題に関心を寄せ中国研究
へ向かうようになりますが、東大を卒業後、朝日新聞に入社し、その
特派員として中国上海に滞在中に、左翼文芸派の「創造社」に出入り
するようになります。機関誌「大衆文芸」に白川次郎のペンネームで
寄稿し、その後、中国共産党と関係を持つようになり、インド独立運動
に共鳴し、中国にも関心を寄せていたドイツ新聞社記者スメドレー女史
の紹介でリヒャルト・ゾルゲと出会います。

父がドイツ人で、母はロシア人のゾルゲは当時、国際共産世界の実現を
夢見てコミュニストになり、ソ連赤軍参謀本部の機関員として上海で
諜報活動をしていました。
数年後、偽装のためナチス党に入党しドイツの新聞フランクフルター・
ツァイトゥンク紙の特派員として来日し、帰国して近衛文麿内閣の嘱託
となった尾崎らの協力を得て、日本政府の機密情報をソ連に流した
スパイ事件が、俗に言うゾルゲ事件です。その時の尾崎のコードネーム
はオットーだったそうです。

これは、今年公開された篠田監督の『スパイ・ゾルゲ』という映画で
随分話題になりました。

そして、もう一つ『虹色のトロツキー』という劇画があるのですが、
これは機動戦士ガンダムのキャラクターデザインを担当した安彦良和の
漫画で、大日本帝国の幻想の地、満州を舞台に、日本人の父とモンゴル
人の母をもつ主人公が、自身の失われた記憶を求め自分探しの旅に出る
プロセスと、日本の満州や中国侵略の経緯を解き明かすことを重ねた
壮大な歴史ドラマで、石原莞爾、甘粕大尉、川島芳子、李香蘭という
蒼蒼たるメンバーと共に、尾崎も登場しています。

いつも思うのですが、共産主義や社会主義って理想上では成り立ちますが
人が人である以上絶対無理だと思うんですが、どうなんでしょう。
もし、尾崎秀実が生きていて、今の北朝鮮を見たらどう思うんでしょう?

また、尾崎が獄中から妻子に宛てた書簡を集録した「愛情は降る星の
如く」は敗戦直後ベストセラーとなっています。

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