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2003/09/11

月に惹かれたわけ

夜の帳が降りる頃 枳棘(ききょく)の雲さえ居なければ
盈盈たる艶を湛え 火夏星を引き連れた 夜渡る仙娥に出会えましょう

と、言うわけで今日は中秋の名月です。
月に恋焦がれている朱雀ですが、さて、いつの頃からこんなに月が好き
だったんだろうと考えてみました。

すると、一つの歌が浮んできました。童謡『月の沙漠』です。
多分、5才位だったと思います。歌と一緒に、満月の下の砂漠に駱駝に
乗った白い服の王子様とお姫様がいる絵を見て、もの凄く心引かれた
のを覚えています。
アラビア風の民族衣装や駱駝に砂漠と初めて見る物ばかりで、強烈な
インパクトがあったんですね。そして空には丸い月。
月は勿論、知っていましたが、砂漠の上で輝く月はいつも自分が見ている
月とはとても同じとは思えず、砂漠の上には別の月があるのだと随分
長い間信じていました。
そして、いつか砂漠の月を見たいなぁと思ったのが、月に惹かれた
一番最初だったと思います。

その『月の沙漠』ですが、あれって実は千葉県の御宿の砂丘のこと
なんですよね。後で知って結構ショックでした。(笑)
でも、大正時代に書かれたこの詩は、どこか切なく、本当の砂漠の
暑苦しさや猛々しさは感じられず、あくまでも幻想的に冴えた空気の中
凛と輝く月やサラサラの砂が静かに広がっているような気配がして
やっぱり好きです。

それから『月の沙漠』は月にある砂漠ではなく、月の光が強調されて
いる砂漠という事も後になって知りました。(笑)
そして今は砂漠と書かれていますが、この歌が発表された時は沙漠の字が
充てられていました。
駱駝と共に漢字の偏を揃えてあるのだそうです。
また、王子様とお姫様に合わせ、対になるものが沢山でてきます。
もの凄くロマンチックな詩ですよね。
今夜は満月を見ながら沙漠を旅する王子様とお姫様の夢でも見ましょ。

『月の沙漠』

月の沙漠をはるばると
旅の駱駝がゆきました
金と銀との鞍置いて
二つならんでゆきました

金の鞍には銀の甕
銀の鞍には金の甕
二つの甕はそれぞれに
紐で結んでありました

さきの鞍には王子様
あとの鞍にはお姫様
乗った二人はおそろいの
白い上着を着てました

曠い沙漠をひとすじに
二人はどこへゆくのでしょう
朧にけぶる月の夜を
対の駱駝はとぼとぼと

砂丘を越えてゆきました
黙って越えてゆきました

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