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2003/09/16

秋の口

POEMに詩「秋の口」を置きました。解説を兼ねて関連する話など。

とてもかくても 手裡にあるのは何首烏玉

時は戻しも伸ばせもできず 夢想の中で揺れ動く

何首烏玉は、タデ科のツルドクダミの根塊で、漢方薬として強壮や
白髪の薬として有名です。
中国に何首烏玉の民話があります。
何田児(かでんじ)は病弱で、58歳になっても独身でした。ある日
何田児は山で、蔓を見つけそれを持ち帰ると、その夜、夢の中に
仙人が現れ、それを食べるように告げます。
何田児が根を粉にし、毎日飲み続けると、身体は丈夫になり、頭髪
も黒くなりました。その後、何田児は妻を娶り、息子も生まれ160
歳まで生きます。何田児の孫は130歳になっても黒髪だったので
「何首烏」と呼ばれました。何は姓、首は頭、烏は黒を意味します。
そして、植物にその名が付きました。

そんな言い伝えはあっても、所詮はただの薬、時を戻したり、定め
の時を伸ばすことなど出来ないので、せめて夢の中に閉じ込めて
揺れるのを見ています。

覗く紫微垣 碇星

沁みる夜気を横豎に見立て

秋にひとり 思い戯る

古代中国には283の星座があり、それを大きく分けて28宿と
その周辺の星座が属する『外官』と、北極星を中心に北側の
星座が属する『中官』と、いうのがあります。
中官はさらに『紫微垣』『太微垣』『天市垣』に分かれます。
紫微垣は小熊座を中心とし、北極を囲んだ170余の星から成って
います。また、紫微垣は三垣の中央に位置することから、天帝の
星座を象徴するようになり、天帝の住む場所を「紫宮」と呼ぶ
ようになります。紫禁城はここから名前が付きました。

碇星はカシオペア座の別名で、ギリシャ神話に秋の星座が勢揃いの
話があります。
エチオピアの器量自慢の王妃カシオペアが、うっかり自分の美貌を
鼻にかけ、海の妖精の怒りを買い、娘のアンドロメダを生贄に捧げる
羽目となり、ペガサスに乗って現れたペルセウスが海魔ティアマトに
食べられる寸前に助けたというものです。

雨が上がり、雲の切れ間から覗く星に古人が綴った物語を思い浮かべ
ながら、今この時の空を見上げる。
夜の冷えた空気に触れ、少しは昼の雑念を払い清明な心でいられる
ようで、時間と空間も少し広がったような気がします。
こんなに秋が一杯の夜は、せっかくですから心を許して戯れましょう。
という詩でした。

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