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2003/09/12

ラスコー洞窟→バタイユ(再び)→ホイジンガ

今日は、南フランスで旧石器時代の壁画遺跡『ラスコー洞窟』が発見
された日です。
ラスコー洞窟の壁画は、1万6500年前にクロマニヨン人によって
描かれたとされており、牛や馬などが描かれています。

最近この壁画に、「夏の大三角」と思われる3つの星と、おうし座の
プレアデス星団(すばる)と思われる星が描かれているのが発見され
ました。
一説には、壁画に描かれている牛の目、鳥人間、棒の上の鳥が、
それぞれべガ、デネブ、アルタイルを意味しているとする説もあります。
また、槍に貫かれて血を流す牛の絵は、犠牲の野牛と死人の葬儀の
風景とする説や、トランス状態の呪術使とシャーマンの杖を表している
など様々な見方がされています。

そして、このラスコーの壁画について、バタイユが「ラスコー、または
芸術の誕生」という本を書いています。
この本で、先史時代のラスコー人たちが、禁止の侵犯を通じて、遊び、
すなわち芸術そして宗教をつくり出していった過程を綴っています。
また、ラスコー人について、ホイジンガの「ホモ・ルーデンス(遊びの人間)」
と言う呼び名が一番的を射ていると主張しており、ラスコーの壁画は
人類最初の蕩尽の痕跡であり、それ自体を目的とする行為であると
書かれています。

そして、死の恐怖に囚われていた先史時代の人間が狩りで仕留めた
動物の絵を描くのは、死を飼いならすという不可能な企てに挑んだ
痕跡であるとし、自らの不可能な企てである歴史の記述をする事で
バタイユ自身が書いた事と自分で生きた事を重ね合わせようとしていた
ようです。

バタイユが引用しているホイジンガは、オランダの歴史学者で、その著書
『ホモ・ルーデンス』で遊びの本質とその表現形態を考察し、膨大な歴史
上の事象を例に取り、遊びは文化を生み、これを支えるものであると
いう結論を導いています。
松岡正剛さん曰く、かつて誰も、遊びと神聖、遊びと神話、遊びと神々を
結びつけようとはしなかった。
ホイジンガは、遊びの中に神の遊びの残響を発見した最初の人でも
あったと、仰ってます。

遥か昔の新人クロマニヨン人が、ただの落書きで描いたかも知れない
絵に、時を越えそこに自分の意義を見出そうと、しているのが何とも
いとおしいと言うかこんな拡がりが、朱雀は、とにかく好きなんです。(笑)

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