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2003/07/13

『百日紅』の話

久しぶりにイラストを描きましたが、夏らしい花を描こうと色々思い
巡らせたのですが、結局、百日紅を描きました。
以前日記に『夏椿』の話で百日紅の異名について少し書きましたが
さるすべりはその平滑な樹皮に猿も滑り落ちると言うところから
そう呼ばれるようになったのですが、真夏の暑さで大方の植物が
葉を力なく重たげに広げている時期に、今を盛りと咲き続け
花の期間も長いことから百日紅と言う漢字が充てられています。
今日はその『百日紅』の花物語を・・・

その昔、朝鮮のある漁村に、毎年水難を防ぐため村の娘を竜神に
捧げる風習がありました。
ある年、この村一番の長者の娘がそれに選ばれ、泣き暮れておりまし
たが、長者の娘であるからといって村の掟に背くわけにもいかず
娘は最後の化粧をし、海岸で竜神を待ちます。

その時、この国の王子が黄金の船を操ってこの岸に通り合わせ、娘から
事情を聞いた王子は、美しい娘を不憫に思い竜神と戦ってこれを
征伐します。

娘は、自分の命を救ってくれた王子に熱い思いを寄せ、二人は恋仲に
なりますが、王子は王の命令で他所へ行く使命があり、百日目の再会を
固く約束して旅立ちます。
娘は再会の日を楽しみに待っていましたが、その日を前にして病に倒れ
死んでしまいます。

百日目の朝、使命を果し終えた王子は娘を訪ねますが、娘の死を知り
地に伏して慟哭します。そして娘の遺体を弔い埋めたところから、いつしか
一本の木が生え、薄紅色の花が咲き続けました。
これはきっと百日もの間、王子を待ち侘びた娘の化身に違いないと
人々はこの木を百日紅と呼ぶことにしました。
そして、この木が百日もの長い間花が咲いているのも、その所為だと
いわれています。

朱雀は百日紅の色鮮やかの花を見ると、イチゴシロップのかかった
カキ氷を思い浮かべてしまうのですが、切ない悲恋の花だったんですね。

百日紅は他にも「なまけの木」という呼び名があるそうで、
これは春に他の樹木が茂ってからようやく芽吹きを始めるかと思えば
秋になると他の樹木よりずっと早く落葉する所為です。
また枝先が細く、そのつるつるした肌を少し擦っただけで笑っている
ように揺れることから「クスグリノキ」や「笑い笑いの木」といった
名前で呼ぶ所もあるんですって。

散れば咲き 散れば咲きして 百日紅

加賀千代女(かがのちよじょ)の句です。

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